日常 - 言葉について

「とりあえず」と時間軸

原稿を書いている。レイアウトの文字数に合わせて、深層筋の解説を入れる。
んーもっと適切な言葉がありそう、と思うけど、全体を書いてからもう一度確認すればいいんだから、と思う。

「とりあえずね」とつぶやく。

実はこの「とりあえず」が苦手。

原稿も、タイトル、リード、頭から書いて埋めていきたい、という妙なこだわりがある。
だから、1行目を書き始められる気持ちになるまで、ぐるぐると資料を読みインプットをし続ける。アウトプットを始めるまでのこの時間がたいへんに苦しい。頑固な自分のクセ。

頭から埋めていっても、最初にインプットをまとめてやっても、結果はたいして変わらない。なのにここでいつも淀むのは、「たぶんうまくいかない」と強く思い、現実でもそれを引きつけている自分の性質だ。時間を信じるという気持ちがたぶん必要。案件ごとに対処法は変わる。

それに今、自分が書けているのは、昨日の自分がインプットしてくれたから。昨日の自分にも、ありがとうを。

「とりあえずね」とつぶやきながらスペースを埋めていく。
ひとまず見渡したものがでこぼこでちぐはぐでも、修復していく。本当は、その修復の作業が一番楽しいんだった。

これって、気持ちへの対処に似てるな。
とりあえずね。仮固定。
難しいけれど実践的だ。

これができるようになったら、きっと、明日はもっと世界を柔らかく受け入れることができる。

頭から整えていくことは、別の行為でも満たせる。
例えばロードバイク。
「ぶっ飛ばし道路」と名付けている道がある。
信号もない、フラットな舗装道路。
ここをただただぶっ飛ばす。ぐんぐん漕いで、サイコンの時速の値が30、31……と増えていくのを見つめながら。

とりあえずといえば、とりあえずビール。

I’ll start off with a beer.

英語で言うと時間軸が加わる。進んでいるんだって思える。

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