外からは小学校の体育の時間の声がする。
真冬みたいに今日は寒いのに、半袖と半ズボンの子どもたちがぴよぴよしてる。
打鍵の音がして、外の音も届いていて、こういう時間が好きだなぁ。
シェフ100本ノック(ほどもないけど)は今朝で11本目が終わった。
原稿はまだまだこれから。
30分の持ち時間、スマホをスピーカーにしてレコーダーをセットしながら話す。
きのうはZoomでつないだ先のWi-Fi状態がよくなく、音が途切れ途切れだった。
アスパラガスの料理法がうまく聞き取れなかった。
怖そうだなと思っていた人がすごく優しい人で、リストのなかで一番饒舌そうだと思ったおじいさんシェフが実はそうではなかったり。
思ったのは、なんとなく仲良くなれる人というのは最初から決まっていて、壁を作られることもあってっていうのは仕事の関係ではなくても家族でも友人でもなんだって同じだってこと。
だから、半分は相性のせいだと思ってあんまり悔やまないようにして、しっかり仕上げていくだけ。
表に出ることの多い人たちだろうから、取材されるということに警戒を抱かれることもある。
「そういうことはストーリーになるんだろうけど保健所のチェックが入るから言えない」とか、「こだわりっていう言葉は好きじゃない」とか、作為的なことを言おうとしていないのに、予防線を張られることがある。そういう意味で言ってないのにと少し傷ついたような気持ちになる。これまで嫌な思いをされたのだろうなと申し訳なくも思う。
雑にこねくりまわして定型にはめることはしたくない。
相手の言葉を受け取り、こっちも渾身の言葉を返すと、だんだん「ああ、いま話しているうちに分かってきたことがある」と次の言葉を出してくれたりする。なんだ、あなたはただ嘘っぱちを書いてくれるなとおっしゃっていたのですね。
「自身に嘘のないよう仕事をして磨いていると、同じように嘘のない仕事をしている人がそれを見つけてくれるのかもしれないですね」と言うと、(たぶん)ふっと口元がゆるみ、最近あったエピソードを話してくれる。
やっぱり30分の電話というのは無茶だよなと思いつつ、その人が厨房に立つ姿を想像する。
「軽やかな、春の野菜の香りがしそうなメニューですね」と言うと「そう。僕は最近、香りを大事にしているんだと思う」。
こんなもんでいいだろう、あとは適当に書くんだろ?と言われるより、こうして戦うと、相手にしてもらえたという気持ちになる。
言葉も食べ物だと思う。一方向にまるめようとして低コストで作るものもあるのだろうけど、そうじゃない言葉を並べてみたい。
今朝話をした寿司屋の大将は、「朝5時に目覚まし時計が鳴って、市場にトラック走らせてるとき、ずっとブツブツ喋ってますね。風呂でも独り言言ってる。だいたい反省会です」
私も反省会をブツブツしながら書いている。
子どもたちのピヨピヨした声が混じって、まあいいや~と思える。
いろんな人と対峙するって大変だし
しかも電話越しっていうのは距離を縮めるまでにも時間が掛かったりして
本当に難しいなと思う。
それをこんなふうに感じながらやれているのはすごいなぁと思いながら聞かせてもらった。
いい仕事してるなぁ〜って思った。
プロだなぁ〜、そういう仕事なんだなぁ〜って。
「半分は相性のせいだと思ってあんまり悔やまないようにして」
ここ、ポイントだよね。本当にいろんな人がいる。
余裕がないかもしれないし、そういう気持ちじゃないかもしれない。
時にそれはこちらにとっては理不尽で全然関係ないことかもしれないけれど
そう思って進むしかないこともあるね。
うんうん。いいぞいいぞ!
umiさん チャオ!
うん、きのう車を見送りながら言い忘れてたこと書いたよ。
そうだよね。自分は準備しておいても、相手はそうでもなかったり。
今の自分にすとんとくる受け止め方をしてくれてありがとう。
半分はあきらめて、でも反省して、まだウジウジしてる部分は眠ってリセットする。
眠りがいまひとつだったら次の夜に持ち越して。。
っていう繰り返しだなぁ。
なんか落ち着いてきた。ありがとうねっ!