きのうは体調が悪かったので、ゆっくりゆっくり歩こうと思って出かけたら早めに着きすぎてしまい、大岡山の路地裏を散歩して時間をつぶした。
取材先は漢方薬局の先生。たくさん資料をコピーしておいてくださった。
「これは漢方薬の教科書。マーカー引いたけど、中国語だから読めないだろう?」とか言って、用紙にいろいろと言葉を書きつつ教えてくれる。
「本草綱目」のコピーも渡してくれて、読み上げながら、意味を添える。
「こんな情報があったんですけど」と言ったらお弟子さんのような方に「この成分が何を意味するか調べてコピー取ってきて」と言って、「はい読んでみて」と1枚。「なるほど。この植物は同じグループだけど今回のテーマからは遠かったですね」と言うと「物事を書くときにはきちんと調べないといけないよ」とチクリと刺される。
あなたは肩と首がカチカチだ、と首を横に回し、後ろに反らす動作をさせられ、
気、なるものを通してくださった。ふわっとラクになった。
「春先は気温差があるから筋肉が固まりやすいんだ」。
その先生は易者だったこともあるそう。歌人でもある。「あなたも短歌やりなさい」とか「この山に登りなさい。運気が良くなる」と、あっちこっちから資料や本を出してきてくれる。3冊本をいただいた。サインをしてくれるときも中国語で「この言葉は、同じく学ぶものに謹んで渡す、という意味」だって。
運気が良くなるって、どういうことだろう。
つかみどころのない概念。お金がもうかる? そうじゃないな。
願いが叶う?といっても願いとは。
私は軽くなりたいな。
書いていると、ずっしり重くなってくるから。
書いて手放して書いて手放してだと、どんどん重くなってると思うときがある。
軽いというのはかえって不安なものなんだろうか。強風で散った桜の花びら、吹きだまりを見るのは好きだ。吹きだまりたい。
「運気が良くなれば、邪気みたいなものがわかるようになりますか?」
「……そういうもんでもないなぁ」。
まあいいか、邪気みたいなものはわかるようになったから。
そこから猛ダッシュで逃れられるかは自分の気力次第。
先生は「自分の意思でしようと思うことはあんまりないんだよ。誰かに頼まれることをやってたらこうなった」って言ってた。あと「大っ嫌いなものを飲み込んだらどうなるか挑戦もした」って。
もうすっかり取材モードは諦めて、まあいいか、もうなるようにしかならんと思って過ごした。瞬間のインスピレーションを差し出し合うみたいな問答。何を言っても受け止めてくれる懐がある、いい加減ぽいのに、厳しい。
最近、眠りが浅くてすごくディテールの細かい夢を見る。メールを書いていたり、ファイルを整理してたり。細いトゲトゲが出ている木に登ったり。そういう夢の続きみたいだった。
最後、ガラス戸をカラカラ閉めながら振り向くと、座ってた先生がにやりと敬礼してくれたので手を振った。
この書き方がとても好き。
そっかぁ、不思議な面白い、興味深い1日だったね。
気とか流れとか運気とか、とても興味あるけど
自分ひとりで発揮するものと、誰か一緒にいてではまた違うんだろうなと思ったり。
前みたいに 自分が押しつぶされそう にはなっていないけど
軽くはなってない。
軽く ってまずはひとりになることから生まれるのだろうか?と
思ったりする。
翠雨さんの感じる仕事での重みはまた少し違うけど
これはありそうだなと思う。
どのくらいの心持ちで、どのタイミングで手放して、、、っていう
時期や状況も変化していくもののような気がするし。
体調は大丈夫?
心穏やかにお過ごしください。(なにこの文章!笑)
umiさん
読んでくれてありがとう。
「この書き方」って、なにを指してるのかよかったら教えてね。
うん、軽くなるには一人になることから。
そうかもしれない。
確かにそうだ。
山にのぼるときだって一人になるし(誰かとのぼっていても)。
最後の締めに笑ったよ!!
体調はよくなったよー。
読んだ時にさ、なーんか良かったんだよね。
とてもナチュラルで、独自なテンポで、淡々としてて。
時系列で起きたことの中に
その時に思ったことと、今思っていることが同じ重量で書かれてて。
曲でいうと 同じ曲の中でトーンが変わる って感じ。
ああ、こういう文章の感覚、いいなーって思ったの。
伝わるかなぁ
体調良くなってなにより!
umiさん
そうかぁ。ありがとう。
すごくうれしい!
そんな文章を書きたかった気がするから、とっても嬉しい。
うれしいなぁ。
何度も言うな。あはは!
もうすぐumiさんのあたらしい仕事がはじまるね。
そんなこと思いながらカレンダー見てた。