日常 - 言葉について

文章、メロディ

「こぐまさん、おじさんへの遠近法、学んだほうがいいよ」とこぐまがロシア語の講義で言われたらしい。
音楽の話をしていたときにふと「先生はやっぱりレコード世代なんですか?」と聞いたらそう言われたんだって。
言われた意味がよく分からなくて黙ってると「意味わかりましたか?」と聞かれ、「いや、意味分かりませんでした!」というと失笑、みたいな空気が流れたらしい。
わかんないけど、年齢に対する配慮はより慎重にしたほうがいいということなのかな~、って答えた。意味を説明してくれたらもっと広がるのにね。

ものごとに対する距離を考える。
1月あたりに書いた原稿のゲラが来て、読んでいた。すごく難しくて、読んでまったく楽しいものではなかった。書いているときガチガチですり減ってた心情が映し出されている。事実関係や資料、関わる人たちと至近距離にいた。あんなに近くに寄ったら苦しいだろう。もっと、過去や未来、斜めや遠く、視点を散らせばよかった。

インタビューではどうだろう。
インタビュー原稿がガチガチだったら身も蓋もないわけだけど。相性にもよる。
インタビュー原稿は書き手がBGMをつけている。
流れを変えられないから、現場が流れてないと取り返しがつかないぶん、通常の記事より難しい。
私はどんなBGMをつけたいだろう。メロディではなくかすかな雑踏みたいなのがいい。
ぽつぽつと会話が続き、空白があって、あ、終わったんだなみたいなもの。
仰々しくないのに、しばらくして思い出すワンフレーズにかきむしられる。
地下鉄のコンコースで誰かの楽器がかび臭い空気に溶けていくように。

これからは違うふうに物事を見てみたい。そのためには視点を飛ばせるだけの心の余裕が必要で、その余裕を得るためにもっと手間をかけないといけない。
でもそうしないと、今までとは違うものは書けない。

2 Comments on “文章、メロディ

  1. こぐま。
    どんなシチュエーションで、どんな流れだったか分からないから
    なんとも言えないけれど、まぁ、なんと心の狭い先生だこと。笑
    生徒に伝わらない言葉で伝えた気になって
    いったいなんの先生なんだって話。(例え専門がロシア語でも)

    今までには無かったスピードと量で人と関わってて
    (今までが断然に少なすぎたので、比較にならんけども)
    圧倒的に 自分ものさし の人が多いと気がつく。
    またなんと 言葉で伝えること をしていないか。
    ただただ驚いているし、毎晩蕁麻疹が出ている←疲れだろうな。笑

    そういうものに向き合って、仕事もまぁ無駄の多いこと。
    そんなん必要か?という書類の作成ばかりがあって
    こりゃあかんなと思う日々。

    私ももう少し慣れたら、全く違う視点に立ちながら
    今ある全てに近付きすぎないでやっていきたいと思うよ。

  2. umiさん
    こぐまの心に思いを馳せてくれてありがとう。
    こぐま、ほんの少しずつ、歩み始めてるよ。
    小説家が先生だったりするんだよ・・・うらやまぴー!

    じんましん辛いね。
    うちは、次女がよく出てた。
    umiさんの消耗、やっぱり大きいだろうから積み重ねないよう気を付けて。
    いやぁほんと、生身の人間はすごいですわ。
    わたし、いつも運転免許センターいくと意味なく消耗するんだけど
    あれはいろーんな人間が雑多に混在しているからだと思うのよ。
    そのあたりからumiさんの消耗を想像してる。

    でもね、umiさんは大丈夫よ。
    人と現実に接さない生活をしてきたとしても
    すごく人との内面に関わる日々を送ってきてるからそのあたりの筋肉は強靱だと思う。応援してる。

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