日常 - 言葉について

雷鳴

依存に関する原稿を書いていたとき、
「薬物障害やアルコール障害に至った場合、元の状態に戻ることはない」
と書かれていた部分を繰り返し読んでいた。
自分の中で納得するところがあった。
病気と言われるものでバイオマーカーが正常レベルになると治ったということになるものはたくさんあるけれどそれだって、医療の介入が必要なくなっただけで元に戻ったわけではない。
心の変化も、捉え方、感じ方というものは、元には戻らない。
木も風も石もなんだってそうで、人間だけ元に戻ると考えるのはあまりに調子がいい。

どこかで元に戻ろうとしていたな。

相変わらず音楽が聴けない、
その代わりに
今みたいに
雷鳴、雨が降るその音、車のタイヤが水たまりを踏んでジュワジュワいってる、
それらを聞いているだけの時間。
白い紙にいい感じに並んでいる文字は、必要なときだけ、そっと揺れる。
静かなものの良さ、それが分からなくなるんだったら元に戻らなくていい。
それで良かったんだな。

2 Comments on “雷鳴

  1. こういう翠雨さんの思い方が好き

    そうだよねぇ〜 元通り って違うよね。

    しかも 元通りじゃないこと が ネガティヴ とも限らない。
    なんでも思い方次第で、考え方次第で。

    いつかまた するっと 前と同じようなことも受け入れられる部分が
    発生してきたり、新しい何かを発見したり、気が付いたり。

    今日も1日、静かな音の世界を、その美しい心で視つめてね。
    おはよう☀

  2. umiさん

    ね。
    元通りを目指すと、もったいないなって思ったので書いてみた。
    変わっていくって素敵だなって、最近のこの雨や緑のにおいを感じていて気づくことができたよ。

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