日常

船の上の出来事

薄暗いスタジオ、何人かおじさんがいる。私はそのおじさんたちの仕事メンバーとして参加している。はじめての人達との仕事で、なにが行われるのか傍観している。

スタジオには畳のスペースがあって数名で演奏が始まった。演奏をすこし離れて見守るように、その人がいた。輪郭や表情が淡く柔らかくなっている。「角がとれる」ってこういうことなのかなとぼんやり見る。髪の毛が金髪になっている。演奏には加わらないけれどギターをときどき試すように鳴らしている。その人に私は見えないようだ。

そのあとスタッフたちや演者みんなで船に乗り込む。じりじりと日射しが当たる甲板。砂が脚に当たって痛い。潮の匂い。古布やロープや魚網のすき間に体をねじり込ませる。その人はそばにいるけどやっぱり私に気づかない。ほほをそっと撫でて「よかったね、好きなことができていて」と話しかける。聞こえない声で。
自分の声だけが内側に響いて、私が同じことを言われたらどうだろうと思う。よく言われていた言葉だ。好きなことを仕事にできていることは、よかったことでも悪かったことでもなく、矛盾をかきわけるようなこと。自分の口から出た言葉が返ってきて、えぐる。

いいことを思いついた、と思うときにドーパミンが出る。見た目気持ちよさそうな言葉で気持ち良くなって満足するな。もっと我慢しろ。耐えろ。頭がぽんぽんに熱くなって目が覚めた。

2 Comments on “船の上の出来事

  1. 長女ちゃんたち、来てる頃かな?
    読み返そうと探したけど、見つからず。
    やることがいっぱいあると、どうも作業がおざなりになるのが悪いところ。

    ここんとこ忙しくしていたんじゃないかなーって思いながら
    無理な発注や仕事の状況が少しでも良くなってるといいなと思いながら。

    自分の好きなことができているのと、自分の得意なことができているのと
    どちらがいいのだろうとよく思う。仕事として。
    きっとどちらにも矛盾や変化してくものや色々あって
    その度に色々と感じたり思い止まったりするんだろうね。

    つくづく 人柄は顔に出るな と思っているので
    その人の角がとれたように見えるのはそうなんだろうね、夢だけども。笑
    夢ということは願いなのかもしれないなーって
    違うかもだけどそう思った。

    って、だいぶ前に書いたんだけど、なんか反映されてなかったみたいで。
    書いたことはその日とはまた違っているけれど、最後の部分はそのまんまに近い。

  2. umiさん おはよう!
    長女たちは、今日午後に来るよ。
    そのぎりぎりまで書き続ける、ぎりぎりLife。

    仕事のこと気に掛けてくれてありがとう。
    できそうだなと思っても断ったり、
    気持ちとせめぎ合いながらも仕事量、調整してる。
    あとは強気の見積もとって、自分をきちんと高く売ろうとも思ってる。

    umiさんの言葉を読んで、仕事だけじゃないなにもかも
    矛盾と思えばそうで、全体をメタに眺めればそれがバランスなんだろうなと
    そうして動いて変化するものなんだなって思った。すーって風が通るようだった。ありがとう。

    うん、願うことっていうのはいいことだよね。
    時間かかってるけど、そうして願いに変えていくんだ!

    台風、じわじわ進んでるね。
    日曜日朝から、3泊でこぐまとむーと3人で北海道行ってきます。
    山にいきたいけどクマいないといいな。
    飛行機飛びますように。

    またね umiさん。umiさんにとって、いーい一日になるように。

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