日常

記憶をイメージ

最近、こぐまが沈んでいる。
昨日はこぐまの誕生日だった。リクエストのフルーツサンドを作った。
ケーキはなしでいいよ、ということだったので夕飯を食べるときにフルーツサンドを目の前にしてハッピーバースデーを歌ったのだけど、歌い終わったあとに
「サプライズプレゼントは?」と聞かれ、「え、2日前に手帳あげたよね」、沈黙。
落ち込んで大学を休んだ朝に、「手帳たのまれてたの、届いてたよ~」と渡したのだった。
ちゃんとラッピングして、誕生日の瞬間に渡せば良かった。
記念日ってそういうものだったんだなと、記念日に無頓着な自分を反省。

このあいだ、イヤホンが必要な講義の日だったのに忘れて走って家に帰って、
電車まにあわないーと思っていたらエレベーターで乗り合わせたおばあさんに
「今日もがんばってね!」と言われたといいながら、泣いてる。
友人との約束も気が重いらしい。
気持ちが沈んでいると、いろんなことが、嬉しいのか悲しいのか情けないのか、分からなくなるよね。
私も、工事現場で怒られている若者をみて、涙が止まらんかったなと思い出す。
希望、みたいなものが見えなくて、歩いていても、地面がふわふわグラグラしていたあの頃。
笑っている様子が見られないのは日々つらいな。
ゆっくり元気になっていくといい。それは彼女の戦い。

先週、ある媒体の締めきりのために、一週間、なるべく取材をいれずに時間を確保しておいた。けれど、約束のものは送られてこなくて、催促しても返事もなくて、仕方なく、そのデータがあれば作業を一つ減らせたんだけどなと思いながら一日かけてやったら、きのうひょっこりと届いて、あー時間を返してくださいとやり切れない気持ちになった。送ったはずだけど届いていない?容量が大きかったのか?どうしてでしょうねーと、あからさまな嘘を重ねる。「嘘をついてはぐらかしたってあなたは仕事を間に合わせる」という扱いを受けている、そういう気持ちになる。

はーっと息をし直して、自分の目的を思い返す。目的は、読んだ人の気持ちがほんの少しだけでも晴れやかになるようなものにまとめること――おまじないのように唱えても暗い靄に飲まれそうになったときには記憶の出番。山登りして、遠く光る湖をみたときのあの気持ち。いつかまたあんな気持ちに出くわすかもね、と歩き続ける。だいたいのことは、想像していることよりも悪くない。ちょうどいい自分への楽しみを用意してやろう。

4 Comments on “記憶をイメージ

  1. 私も翠雨さんもこぐまの歳はひとり暮らしだったじゃない?
    どんなに気持ちが落ちてても、自分で掬うしかなく。
    掬えずに拗らせが長かった自分は今振り返れば堕落した自分も知ってるし、いろんな経験して来たなって思うけど。
    あの頃を振り返っても抜け道は見つけられなかったし、でも新しい何かを見つけることは
    きっとおそらくこぐまにとっては良いのだろうなと思う。

    翠雨さんのいうとおり、気にはなるけど こぐまの人生。こぐまの戦い。
    いつでもここにいるよ っていう姿勢で充分だと思うな。
    それを言葉にしてあげたら、嬉しいかな。

    「嘘をついてはぐらかしたってあなたは仕事を間に合わせる」
    その人に上司がいるのなら言いたいし、そうじゃないのなら直接だよね。
    これはあんまりにもだよなぁ〜
    言うと基本仕事が切れる。こことの戦い。

    「読んだ人の気持ちがほんの少しだけでも晴れやかになるようなものにまとめること―」
    こんなふうに想いながら書いてくれる文章。すごいなぁ〜
    自分とは違う畑でも、こんなふうに繋がって届いていくことの美しさは本当に救われる。
    大事なことは自分の中にあるんだよね。

  2. umiさん

    こっちにもお返事くれてたんだね、ありがとう。

    確かに、自分のそのころと比べてみるっていうことすると、はっとした。
    そうだね、自分で掬うしかなかったね。相当きつかったよね・・・うんうん。
    「今日は一日死にたいと思ってた」なんて言われてショックだったんだ。
    でも、それに近かったときもあるなぁと思い、
    言えていることだけでもいいのかも。
    うん、なんか、つい私は逃げようとするけど、言葉にしてみるわ。

    もうね、週明けに、編集長とccで送った。
    でもなんか編集長も含め、全然響いてない感じだった。
    温度差を感じたよ。そして、もう、いつまでも思っていないでいようと思った。
    さっきうみの卵を読んで、そうだよオラーーって元気でた。

    自分の中の大切なものを見失わないよう、もっともっと呼吸をしようと思った。

  3. 「今日は一日死にたいと思ってた」なんて言われてショックだったんだ。

    それはショックだよね。
    よく頑張った!翠雨さん、偉い偉い。

    一緒にいて生まれてくる 甘え はしょうがないと言ってあげることもできるけど
    我らからすると微妙だよね。

    私も同じくらいの歳の頃、そういうのが続いてたな。
    でもひとりでいると誰にも言えないし、どんどん拗らせる。

    「こぐまが大事だから 死にたい なんて言われたら私は何日も苦しいよ」
    って、状況やシチュエーション、絶妙な響くタイミングをゆっくり見定めて伝えてみようか。

    ◻︎

    自分との違いが分かっただけでも少し気持ちが楽になった。(私はね、今んところ)
    こんなにもアホくさくて滑稽なことってあるかしら?と思うくらいに
    くだらなくどうしようもない奴らがいるのが普通。
    でも。我らじゃないけど、そうじゃない人もいる。確実に。
    いっぱい呼吸して、吐いて吐いて吸って吸って、循環スピードを上げて
    自分の大事を守ろう!

    またあっちにも書くね。

  4. umiさん
    そうだね。そう言ってみる。
    どう言ったらいいかわからなかったんだよなって、台詞を教えてもらって思った。

    こんど散歩に行ったら、かな。
    そうしよう。

    呼吸するよー すーはーぐいーん!

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