日常

調律

ガタンゴトン
始発電車の音が
前までは
「行ってしまうよ」と聞こえていて
朝が来ることがしみじみとつらかった

今朝
ガタンゴトン
その音は
冷たい空気のせいなのか
透き通って
私の背骨を縫いながら動いていった

世界と自分が調律されて
その響きはまた空に帰っていく

強くなるということは鈍感になることではなかった
敏感に感じとり調律し返していけばいい

2 Comments on “調律

  1. この文章の世界観とか言葉とかがとにかく好きで
    何度も読んでて、そのことをどう伝えたらいいんだろうって
    ずーっと時間が掛かってしまったよ。笑

    わたしも最近同じようなことを思ってて
    それが文章になっていることがまず嬉しくて。
    それと同じような時期に同じようなことを感じてくれていることが
    とてつもなく嬉しくて。
    翠雨さんがそう思ってくれていることが、なによりも嬉しい。

    こういうことってなかなか想いを共有できない気がする。
    そういう気持ちをうんうんと共有できる友がいることがなによりも嬉しい。

    そう。
    強くなるというのは鈍感になるということではない。
    少なくとも私たちにとっては。
    そう思うよ。

  2. umiさん
    おはよう。
    この文章をそんなにも気持ち良く受け止めてくれてありがとう。
    言葉が喜んでいる!

    人に対しては「すべて意味があるよ」と言えても、そして実際に本当にそう思っているのに
    自分のこととなると、打ち消したかったり、ただ苦しいだけで、認められていなかったなと思う。
    とことんそうして苦しさに宙ぶらりんでいたから、いまはここにいるんだろうなぁと思うんだ。
    そういうことを、「だよねぇ」って、遠い空見ながら話すように書いたら、やっぱり同じように
    受け止めてくれたことがうれしい。

    あの雪の写真、もう胸が裂けるくらい嬉しかったよ。

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