日常

Trill

今朝は6時台に家を出て自転車を走らせた。
珍しい凪の日。いつもは不意の横風に車体が傾くのを避けるために知らずに力が入り、乗った後は両腕が痛くなるのだけれど、今日は上半身がふわりと脱力した状態で走ることができる。時間が経つうちに風が出てくる。いいぞいいぞ、風よ吹け。汗が乾いていく。

朝の海辺は、日差しで温められた空気とひやりとした空気が混ぜられて、そのマーブルの中を体が進んでいくのでいつもより感覚が研ぎ澄まされる。今日はヘルメットから出ている両耳の感覚に集中してみた。風が粒子になって耳をまんべんなく撫でていく。耳にもツボがたくさん集まっているというから、さしずめ風のジャグジーといったところ。

このあいだ昼間に川辺を走ったときは鳥たちにたくさん出会った。
4、5羽の鳥たちがアスファルトの道の上、車輪がそばにくるぎりぎりのタイミングまで待っていて近づくと飛び立っていく。またしばらく走ると同じように鳥たちが待ち伏せしていて、近づくとチチッと飛び立っていく。この動きはなにかに似ているな。楽譜のトリルだ! 鳥たちのうたに私も参加できたようで、また私は音楽を聴けるようになるかもなぁと思えた。

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