日常

粒子

遠くの雪国から
なにかが訪れる気配

目を閉じたままで
こわばった呼吸をゆるめると
それは柔らかな粒子で
ほほを滑っていく

手のひらに粒子を受けて
起き上がり
窓を開ける

空からいっせいに星たちがやってきて
手のひらのそれを吸い込んで
闇を駆けていく

その粒子は
木の枝で眠る小鳥
眠る牛のみっしりした黒い毛
明け方の駅舎で鍵をあけるおじさんの指にも注ぎ
明けていく朝に同化した

3 Comments on “粒子

  1. 好きな文章を読むと心が嬉しくなるね

    ひんやりとした中にも
    愛らしいものたちがじんわりと広がって
    心が解けていくような気持ちになったよ

  2. umiさん

    おはよう。
    これは、おとといの夜眠る前にumiさんがくれたイメージをやってみて、
    夜中に目が覚めたときにもういっかいやってみたの。
    そのときに浮かんだ感じを一生懸命覚えておいて
    再現した。
    だからumiさんからの贈り物だったんだー。

    いつも、ありがとう。
    私の中にもいまもう一度、じんわり広がった。

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